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環境修復保全

1-1) カンボジア国コンポンチャム州における持続可能な森林管理を目指した植林事業 (フェーズ 3)

森林密度の減少が著しいコンポンチャム州は、気候変動に伴い頻発する洪水や干ばつの影響を受け易く脆弱な地域です。
貧困が深刻な地域住民にとって、これら災害の緩和は喫緊の課題であり、森林面積の増大により、これらの災害による影響の緩和が期待されるとともに、地域住民の生計向上が期待されます。
そこで本事業では、急速に森林が減少する地域において、地域住民の生活に深く根付いている寺院や小学校を中心に、植林活動を実施して持続可能な森林管理を目指すとともに、植林や森林保全の重要性に関するワークショップを実施しています。
2021 年度(フェーズ 3)では 7 月にプレイチョール地区の共有地を対象として、コンポンチャム州農林水産局局長や郡農業事務所職員らの参加を得て、地域住民とともに植林活動を実施しました。
その後の乾期の間も、植林管理グループによる定期的な潅水やモニタリング活動を通して、植林した苗木は順調に成長しています。


植林管理グループによるモニタリング(1-1)
(カンボジア国コンポンチャム州)

1-2) カンボジア国東部における生物多様性および森林による炭素貯留能の強化事業 CAMPAS (フェーズ 5, 6)

カンボジア国東部のラタナキリ州とモドルキリ州を対象として、在来樹種の植林やアグロフォレストリーの導入による里山保全、非木材林産物の利用を通したコミュニティの生計手段の確保、ジェンダーに配慮した自然資源管理グループの形成等に取り組んでいます。
2021年10月から2022年3月にかけては、現地住民による植林地のモニタリングとともに補植活動等を実施しました。
また、現地住民を対象に「種子の保管」、「育苗管理および育苗における病虫害防除」、「持続可能な植林に向けた植物の繁殖」に関するワークショップを開催しました。


現地住民による補植活動(1-2)
(カンボジア国モンドルキリ州)

1-3) カンボジア国コンポンチャム州の農山村域における環境修復を目指した植林事業 (フェーズ 1, 2)

コンポンチャム州では、農地開発やプランテーション化に伴い大規模に森林伐採が進んでいる地域です。
そこで本事業では、荒廃化の進んだ共有地を対象として、森林資源の増加による環境修復とともに、植林や森林保全の重要性に関する地域住民の理解の向上を目指しています。
2021年10月から2022年3月にかけては、各郡で形成した森林管理住民グループを中心とした地域住民によって、州内全10郡の植林地で食害防止ネットの設置や潅水等の保育作業が継続されました。
また、コンポンチャム州森林局と協力して、各郡における生存率や生育状況の調査を実施するとともに、引き続き森林管理住民グループへの支援にあたりました。
地域住民へのアンケート調査結果から、回答者全員が地域における森林面積の増大の必要性を認識しており、65%の住民がワークショップを通じて学んだ森林の多面的機能について幅広く理解したことが分かりました。
また、地域において緑化活動を推進する上で、地域住民が活動の主体となることが重要であるとの認識が90%以上の地域住民に定着しており、植林活動を通じた環境教育を草の根レベルで継続することの重要性を再確認できました。
また、2022年2月には日本から派遣した大学生と現地のカンボジア人大学生が共に植林活動に従事し、植林の重要性や持続可能な森林管理の現状と難しさについて知識を深めました。
植林地は各郡の森林管理住民グループによって維持管理されています。
また、2021年12月末から開始されたフェーズ 2の活動では、フェーズ1の活動を見直した活動計画に則って、各植林地における平面測量や高低測量を実施するとともに、植林活動および森林保全の重要性に関する啓発活動の準備を進めています。


農山村域における環境修復を目指した植林事業(1-3)
(カンボジア国コンポンチャム州)

1-4) カンボジア国トボンクムン州における森林環境教育を目指した学校環境緑化の推進 (フェーズ 1)

トボンクムン州では1990年代以降、大規模なプランテーション農業への転換によって、森林率が20%まで低下しています。
この森林伐採によって、生物多様性の宝庫であった混合林も著しく減少しています。
また、農山村域では、家庭燃料用に使用する薪材を集める過程で、森林内の樹木が無意識の内に伐採されています。
近年は、森林面積の減少に伴って洪水等の自然災害が頻発しており、洪水や干ばつの影響を受け易く、地域住民を脅かしています。
そこで2021年12月末より開始した本事業では、トボンクムン州の10小学校を対象として、森林環境教育を目指した学校環境緑化を展開しています。
具体的には、植林やワークショップ、植栽木の生育管理に関するコンペティション等の活動を通して、森林資源や生物多様性の重要性、森林や自然に対する親しみや大切さを参加者に実感してもらう機会を創出していきます。
2021年12月末から2022年3月にかけては、事業対象となる各小学校の校長や教員の協力を得ながら、植林地の測量を実施するとともに、今後実施される植林活動や森林環境教育に向けて準備を進めています。


小学校内に設置された苗床(1-4)
(カンボジア国トボンクムン州)

特定非営利活動法人環境修復保全機構(普及センター)が実施する普及プログラムは、NGOアリーナ寄付サイト、ソフトバンクつながる募金、株式会社スリーピラーズ、株式会社ファイブセンスグラフィックス等を通してご寄付頂いた方々をはじめ、日本国内のみならず世界各地における多くの市民の方々からのご支援に支えられています。
また本年度、公益社団法人国土緑化推進機構、国連環境計画(UNEP)、カンボジア国環境省、外務省、日本郵便株式会社等より、助成や委託を受けて実施しております。
ここに記して深謝申し上げます。

 

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